ASAGI(D)×Shinya(DIR EN GREY)対談
2016.11.08

DのASAGIとDIR EN GREYのShinya。知り合ったのは随分と前のようだが、昨今は相思相愛とも言える間柄だ。もちろん、2016年4月に発表されたASAGIのメジャー第一弾ソロ・シングル『Seventh Sense/屍の王者/アンプサイ』にShinyaが客演したのは、ファンならばよくご存じのはず。彼らはお互いにどんなところに惹かれ合っているのか?今回は日頃からよく食事に出かけるなど、親交も深い二人による対談をお届けしよう。

――お互いが存在を認識したのはいつ頃だったんですか?
ASAGI:それはもう遡ること何年になるかわかりませんが、Shinyaくんはまだ高校生の頃で、僕はその時初めてLa:Sadie’sのライヴを観たんですよ。ちょうど自分たちも大阪でその前後にライヴがあって、知り合いを通じて観に行ったんですけど、そこで衝撃を受けたんですよね。自分も当時は東京を拠点に活動してましたけど、La:Sadie’sみたいに勢いのあるバンドのライヴは観たことがなくて。ただ、そのときはほとんど話はしてないですね。多分、楽屋に行って、ちょっと挨拶をした程度で。俺、実はすっごい人見知りなんですよ。最近はそれじゃ駄目だと思って……まぁ、事務所、レーベルの代表もやっているし、いろんな人と話さないといけないじゃないですか(笑)。
――最近なんですか!?そんなふうに感じたことはありませんでしたよ。
ASAGI:いやいや(笑)、取材などでバンドの世界観を話すことについては大丈夫だったんですけど、やっぱ東北人だからか、あまり自分から話しかけにいくようなタイプじゃなかったんですよ。まぁ、それはともかく、Shinyaくんに関しては、高校生でこんなに本格的に活動している人がいることに、まずびっくりしましたね。上京してくる身としては、学校を卒業して、東京に出てきてようやくみたいな感じじゃないですか。
――関西はそういう土壌があるんですかね。44MAGNUMやhide with Spread BeaverのJOEさん、GARGOYLEのKATSUJIさんもそうですが、高校生ぐらいから普通にプロフェッショナルな活動をしてきた人は少なくない気がします。
Shinya:あぁ。でも、僕がやっているときは、周りにはそんなにいなかったんですけどね。みんな高校生は高校生らしく(笑)、生活してました。
ASAGI:まったく高校生らしくなかったでしょ?(笑)
Shinya:そうですね(笑)。僕がASAGIくんを知ったのは、そのライヴを観に来てくれたときに、軽く挨拶したのが最初で……覚えてますけど、赤髪だったよね?
ASAGI:そのときは赤髪だったね(笑)。
Shinya:そこで、うちのメンバーの一人が、ASAGIくんからデモ・テープをもらってたんですよ。それをいつも機材車でかけてたんで、僕もむっちゃ聴いてて、「カッコいい!」みたいな。
ASAGI:当時はBalsamicってバンドをやってて、そんなに長いこと活動はしてなかったんですけど……多分、そのとき、たまたま1本しかなかったんですよ。それをずっと聴いてくれてたことは後から知って、嬉しかったんですけどね。Balsamicではデモを2本ぐらい世に出してるんですけど、あるとき、Shinyaくんから「もう1本はないの?」って聞かれたんだけど、なかなか見つからなくて。家のどこかには必ずあるんですけど(笑)。まぁ、あったとしても、もう劣化して聴けないだろうなと思ってたんですよね。ところが、最終的にShinyaくんからデータ化されたやつを逆に僕がもらったんだよね(笑)。
Shinya:1本目を持っていなくて。2本目のデモ・テープは僕ももらえたんですよ、その後に会ったときに。多分、対バンか何かしたときですね。
ASAGI:そうそう、対バンしたこともあったね。
Shinya:僕、テープがなくなる時代に、全部、データ化してたんですよ。その中にはもちろんBalsamicの音源もあって、結構ずっと聴いてたんですね。でも、高校生の頃に聴いてた1本目をどうしても聴きたいと思って、ASAGIくんに聞いたら、「見つからない」って言うんで(笑)、僕、必死に探したんですよ。そのうちにあるところから入手したんですけどね。
――しかし、Shinyaくんのマニアぶりは凄いですね。
ASAGI:ホントに。対バンということで言えば、DIR EN GREYになってからもやってるよね。
Shinya:上野の水上野外音楽堂で(笑)。確か10バンドぐらい出てたよね。
ASAGI:うん。当時のDIR EN GREYも凄かったですよ。La:Sadie’sとは比べ物にならないぐらい。でも、そのデモ・テープの話になったときが、ホントに久々の再会みたいな感じだったよね。
Shinya:そうそう。
ASAGI:GACKTさんの家だよね?そこで久々に会ったときに、もちろん、自分はずっとShinyaくんの活躍は知ってたんで、頑張ってるなぁと思ってたんだけど、出会った頃のことを覚えてくれてたんだよね。あれはすっごい嬉しかったなぁ。そこから一気に距離が縮まって、いろんなことを話す間柄になったんだよね。あれは何年ぐらい前だろう?ちょっと覚えてないなぁ。
Shinya:ちょうどDがY-YARDに入る、ちょっと前だから……5~6年前かな。僕はBalsamicの後にASAGIくんがやってたバンドも全部、音源を入手してチェックしてたんですけど、しばらく会ってはいなかった。で、GACKTさんのところには、メンバー何人かで来てたんだよね。そこで何か固まっている人たちがいて、KAMIJOくんに「あの大御所っぽいバンドマン、誰?」って聞いたら(笑)、「あぁ、Dだよ」って、「あぁ、ASAGIくんのいるDか!」って(笑)。
ASAGI:そこで話すようになってからは、ライヴにもよく来てくれるようになったよね。
――今、お互いにどのような印象を抱いているんですか?
Shinya:こんなに優しいロック・ミュージシャンがいるのかっていう(笑)。
ASAGI:ははは! それは俺も同じだよ(笑)。
Shinya:いやいやいや、僕は全然違うけど(笑)。
――周りには、そんなに優しくない人がいっぱいいるわけですか?(笑)
Shinya:まぁ、だいたい優しくないです(笑)。ASAGIくんはすべてが優しいですね、話し方も、気の遣い方も……動物に優しいところもありますね(笑)。
ASAGI:動物!それは大事ですね(笑)。時々、二人で人生について語ったりすることもあるんですよね。そのときに、僕は動物が大好きだから、最終的に自分の人生で培ってきたものは、すべて動物に寄付したいみたいな話をしたことがあったんですよ。多分、そんなところから色々と感じてくれたのかなって。
Shinya:まさにそうです(笑)。
ASAGI:普段の二人の会話の内容は、ここで言えることも、言えないこともありますけど(笑)、音楽についての話はやっぱりするよね。
Shinya:まぁ、多くは言えないことばかりですけど(笑)。
ASAGI:それもあるし(笑)、趣味の話をすることもあるし。何か共通点がたくさんあるんだよね。僕もShinyaくんはすごく優しいロック・ミュージシャンだと思ってるし、だからこそ、顔も広いし、いろんな人に愛されているんだろうなって。しかも、すごいギャップがあるんだよね。すごく激しいドラムを叩いたりする、過激なロック・バンドにいるけど、かわいいものが好きだったりもする。最初からそういう部分は、もしかしたら共鳴するものを感じてたのかもしれないね。だから仲良くなりたいと思ったんだろうし。お互いにラインスタンプもかわいいものを使ってたりとか(笑)、ワインストッパーも色違いの同じ猫のものを使ってるんだよね(笑)。
Shinya:ほんと、たまたまそうだったね(笑)。
ASAGI:そう(笑)。あとは好きな写真家が一緒だったり。
Shinya:そう。だから、それを知ったときは、びっくりしました。
ASAGI:俺もびっくりした。とある写真家さんがいるんですけど、その作品がすっごいアートなんですよ。いつもチェックしてるんですけど、ある日、Shinyaくんに「俺、こういうの、すっごい好きなんだよね」って言ったら、「え?知ってるよ!」って。それまで自分の周りに知って入る人はいなかったから、誰ともその写真の話ができなくて(笑)、自分一人で楽しんでいる世界だったんだよね。
Shinya:うん。僕もたまたまネットで観て知ったんですけど、ホントにみんな知らないんですよ、すごくいい写真家なのに。だから、身近なところで、初めて知ってる人に会ったっていう(笑)。
ASAGI:すごく美しい世界を、ストーリーとかも組み立てて撮る人なんだよね。自分も世界観を作り込んで音楽を作るから、近いものがあるなぁと関心を持って、いろいろと刺激を受けてたんですけど、Shinyaくんも好きそうだなと思って紹介するつもりだったのに(笑)。やっぱり近い感性を持ってるんだなぁと改めて思ったなぁ。
Shinya:写真が美しいんですよね。僕もこの被写体になりたいなっていう。
ASAGI:うん、絶対にいいと思うよ。
Shinya:その写真家さんの話があった後に、僕、また別の人のアート作品集を注文して待っていたんですけど、次にASAGIくんが「こういうのも好きなんだよね」って見せてくれたのが、その人の作品だったりしたよね(笑)。
ASAGI:そうだ、それもあったね(笑)。だから、そういった趣味の部分でも話が合って、いつも心地いいなぁと思うんだよね。なかなかいないからね。
――Shinyaくんも動物好きなんですか?
Shinya:好きですよ。
――チェブラーシカは動物じゃないですよ。
Shinya:あれはチェブラーシカです(笑)。
ASAGI:チェブラーシカにしてもそうだけど、Shinyaくんは突き詰めるじゃないですか、直接会いに行ったりとか。そういうところが、やっぱりアーティストだなぁと思うんですよね。要は自分自身が好きか嫌いかってところがはっきりしてる。僕の場合も周りで流行っているから好きとか、廃れたからもう興味がなくなるとか、そういうことは一切ないし。だからこそ、好きなものはずっと好きだし、どんどん突き詰めたいなと思うんですよね。Shinyaくんもデモ・テープをデータ化してたりもするわけだから(笑)。Shinyaくんは何か好きなものに対して、ナンバー1なのかも?ってぐらいの追求の仕方なんですよ。
Shinya:ただ好きなだけで、あんまり深く考えてないんですけど(笑)。まぁ、好きなものを追求しようというだけなんですよね。昔からそうなんですけどね、ビックリマン(チョコ)とかの頃から。ミニ四駆とかもそうですね。でも、興味がないものは、まったくわからないですからね、普通の人以下(笑)。新たに開拓するとかもないし。だから、チェブラーシカも、知ってから好きになるまでが数年あるんですよ。
ASAGI:へぇ、そうなんだ?
Shinya:見た瞬間に好きとかじゃなくて、徐々に気になりだした(笑)。何かたまたま街中にいるんですよ。よくいるんじゃなくて、たまに何かコラボとかしてる。そこで、たまに見つけると、「あっ、いた」「また、いた」「また、いた」って続いて、もう好きになってるっていう(笑)。最初は「何だ?このサルみたいなのは」って感じでしたからね。最近だったら、仙台にいる“ぐりり”っていうキャラですね。
ASAGI:ぐりり?ゆるキャラ?気になるな(笑)。
Shinya:そう。テレビ局(東日本放送)のマスコットらしくて。『ぼのぼの』の人が作ったんですよね。
――どんなところに惹かれたんですか?
Shinya:ルックスが(笑)。
――Shinyaくんが気になるものの共通点ってあるものですか?
Shinya:いや、だいたい似たような感じですよ、そういうキャラクターは。変なやつはそんなに好きにならないです、せんとくんとか(笑)。
――どこから変になるのか、線引がわからないんですけど(笑)。
Shinya:顔のシンプルなものが好きなんですよ。
ASAGI:そうなんだ?あ、チェブラーシカがドラムロールみたいのを叩いているスタンプがあるんですよ。それもめっちゃかわいいんですけど、俺にはShinyaくんに見えてくるんだよね(笑)。
――ところで、ASAGIくんの経歴をよく知ってるShinyaくんからは、Dについては、どのように見えるんですかね。
Shinya:最初の頃から聴いてましたけど、わりとハードなほうに行ったなって印象でしたね。とりあえず、みんな巧いし、楽しい。ファンタジー(笑)。最新の『Wonderland Savior』も聴いたんですけど、コンセプチュアルというか、あれはそういうのを意識して作ったんですかね?
ASAGI:うん。『アリス』の世界観で全曲をまとめて。特に今回は三部作の完結編をアルバムとして作ってて。
Shinya:あぁ、そうなんだ。そういうのもあって、『アリス』推しで(笑)、最近のDのライヴとかも行ってますね。
ASAGI:アルバムごとにコンセプトがあるから、作品ごとにカラーは変わるんだけどね。だからいつもその時々の全力のDを楽しんでもらえればって。僕からShinyaくんを見ると……ドラムがとにかく好きなんだよね。初めてライヴを観たときの衝撃からずっと。しかも、後にこの人柄を知ってからは、余計にそのギャップにやられて(笑)、ますます好きになって。わりと最近の話ではあるけど、僕、ソロ音源を作るときに、自分がリスペクトするミュージシャンに協力してもらいたいっていう一つのコンセプトがあったんだけど、「アンプサイ」は絶対にShinyaくんしか考えられなくて、頼んだんだよね。あの曲を作っていたときにも、Shinyaくんが叩いている姿がイメージできたし。
Shinya:そうだったんですね(笑)。(声をかけられたときは)もうぜひともと思いましたね。高校のときから聴いていた、あのASAGIくんとついに一緒にできるのかと(笑)。
ASAGI:ははは!それは俺も同じだけどね(笑)。ついにShinyaくんのドラムで歌えるのかぁと思って。
――ここ20年ぐらいの空白がそこで埋まったと(笑)。
Shinya:ホントそうですよね。
ASAGI:そういうことが重なるタイミングってあるんだよね。その意味でも、音楽を続けていくことって、すごく大事なんだなって改めて思ったし。
Shinya:うん。楽曲を聴いた時点で、すごく好きなタイプだったんですよ。フレーズもそんなに悩むことなく、ホントにストレートに、自分のやりたいようにボーンと出すようなレコーディングでしたし。
ASAGI:ホントにやりたいようにやってもらったんだよね。曲の基盤となるものはもちろんあるけど、デモの段階では、オカズとかも入れずに。Shinyaくんが好きなようにやってくれたら、絶対にいいものができることはわかってたから。実際にそれがまた凄くよかったんだよね。やっぱりShinyaくんにお願いしてよかったなぁって。
Shinya:いやいや、全然、こちらこそ楽しかったです。
ASAGI:特にこの「アンプサイ」は自然と自分が同化するっていうコンセプトの曲だったので、まさにさっき話しに出たような、動物に対してだったりとか、お互いに共鳴した部分が表れた曲ではあったんですよね。いろんな経緯があり、二人で様々なコミュニケーションをする中で、人間性でお互いに分かり合える部分も理解したうえでの出来事だったから、ホントに嬉しかったね。
Shinya:光栄です、ホントに。
――では、Shinyaくんの好きな曲の要素を挙げるとしたら?
Shinya:一番はメロディで、あとは幻想的な感じというか、ゴリゴリしてないというか(笑)。
ASAGI:ははは(笑)。その話を最初に聞いたときは、すっごい衝撃だったよ。DIR EN GREYはゴリゴリしてる曲が多いから、「嘘!?」って(笑)。
――しかも、ASAGIくんのソロのバンドのライヴでも、Shinyaくんはサポートしていましたよね。レコーディングのみのコラボレーションだけに終わらず、同じステージに立ってパフォーマンスまで行える機会はなかなかないですよ。
Shinya:ASAGIくんのライヴは、すごく自分の好きな世界観がドンピシャでしたね。衣装もみんな白で揃えて、ステージには(装飾する)白い柱が立っていたり。
――「このままバンドとして活動しませんか?」と言いたくなるぐらい?
Shinya:もう、ホントそれぐらいの気持ちで臨みました(笑)。
ASAGI:確かにそのときも、僕もサポート・メンバーという意識では接してなかったですね。だから、一つの世界観を表現するに当たって、みんなで白で揃えようとか、白い円柱を立ててみようとかっていうのも、ソロでの考え方じゃなかったですから。すごく感慨深いものがありましたし……何と言うんでしょうねぇ。やっぱり、一緒に同じステージに立つまでというのが、すごい長い時間だったような、一瞬だったような、すごく不思議な感覚でしたね。あのときはステージも幻想的な世界だったから、余計にそう思わせてくれたのかもしれないですけど。すごく安心感もありましたし、すごく入り込めたんですよ。ライヴでは全曲を叩いてもらったんですけど、音源で他の曲はLUNA SEAの真矢さん、Sakuraさんが叩いているじゃないですか。それもすごくいい感じに叩いてくれたので、歌いやすかったです。
Shinya:あれは相当な苦労がありましたよね(笑)。
ASAGI:大変だっただろうね。Sakuraさんもかなりマニアックなことをやってくださってたんで(笑)。
Shinya:Sakuraさんのドラムはホントに意味不明で(笑)、どうやってんのかなって。
ASAGI:でも、それをライヴでちゃんと表現してくれてたから。リハ一発目の時点でもうバッチリだったからね。あとは後ろからヒシヒシと感じるオーラがあったなぁ。すごく心強かった。
Shinya:とんでもないです。僕から見ても、ASAGIくんは、もう神々しかったですね、羽もついてたんで(笑)。ホントに神がいるのかって感じでしたね、ステージと一体化してて。普通のロック・ヴォーカリストとはまた違う雰囲気のオーラを醸し出してる感じですね。
ASAGI:普段、二人で食事をしているときなども、今のように柔らかい空間なんですよ。それがいざステージに立ったときは、二人とも完全にアーティスト・モードに入る。そのギャップもまた、自分がステージに立っていながら感じたんですね。ステージに立つと人が変わる、それがアーティストなのかなって。二人ともいつもとは違った一面をそのステージで出せて、それをお互いに感じたというのが、また何かステージを通しても、プライベートでも心がつながった感じがして、すごくいい経験になりましたし。楽しかったですね、何よりも。
――Shinyaくんはステージで、普段の自分と切り替わる瞬間もあるんですか?
Shinya:そうですね。基本、ドラムを叩き始めたときからですね。叩いてない曲間とかは、普段の自分で。だから、いつもドラムから離れたら、もう早く帰りたいんです(笑)。
ASAGI:ははは!(笑)普段とは全然違いますよね。それもまたすごい魅力なんだろうなって。
――
ライヴと言えば、Shinyaくんはいろいろなライヴを観に行っていることもよく知られていますよね。
Shinya:そうですね、ヴィジュアル系を突き詰めてるんで(笑)、趣味が仕事になってるっていう。
――
ShinyaくんとASAGIくんがCREATURE CREATUREのライヴで顔を揃えているのを見たことがありますが、二人ともMORRIEファンだったりもしますよね。
Shinya:僕はミュージシャンの中では、一番、MORRIEさんのライヴに行ってるんじゃないですかね(笑)。何か世界観というか、声も歌詞も好きなんですよ。最初に聴いたのは、もちろんDEAD ENDですけど、DEAD ENDも好きな曲はめっちゃ好きなんですけど、聴かない曲はまったく聴かない感じなんですよ。CREATURE CREATUREはドンピシャで、すべてハマってますね。あの変拍子とかが好きなんですよ。MORRIEさんのソロも特に最近のアルバムとかはめっちゃ好きですね。
ASAGI:やっぱり存在感とかオーラとか……佇まいももちろん、歌声もそうですけど、MORRIEさんには惹かれるものがありますよね。とにかく声が深いんですよ。そこに宇宙を感じますね。お人柄にも惹かれますし。自分のヴォーカルを録ってくれているエンジニアさんとか、Dでもプロデュースをお願いしている岡野(ハジメ)さんにしてもそうですけど、スタッフ周りもいろいろ共通の知人がいるんですよね。それにCREATURE CREATUREは演奏も凄いじゃないですか。人時さんとHIROさんに自分のソロ作品に参加して頂けたのも本当に嬉しかったです。
――そんなところも二人に似た感性があるゆえなのかもしれませんね。
ASAGI & Shinya:そうですね。
――私生活でも似たようなところを感じることもありますか?
ASAGI:知ってますよ、Shinyaくんが部屋の模様替え好きなのは(笑)。
Shinya:昨日も夜中3時ぐらいまで、家の改造をしてて(笑)。作り付けの棚があったんですよ。そこに飾り物とかをしてたんですけど、ゴチャゴチャしてきたから、材料を買ってきて、扉をつける改造をしました。色も塗って。まぁ、僕は指示してるだけですけど(笑)。
――えっ、自分でやってるんじゃないんですか?
Shinya:やってないです。そこはあんまやりたくない(笑)。
ASAGI:職人を呼んで?
Shinya:いや、ASAGIくんも知ってる◯◯。
ASAGI:マジで!?共通の知人が、そんなところにもいるので驚いたんですけど……もともと僕もローディをやってもらってた人なんですよ。でも、彼はそういうこともできるんだ?
Shinya:まぁ、ちょっと未熟ですけど(笑)。
――家具の例で言うと、ASAGIくんは凄いところに寝てるんですよね。
ASAGI:あぁ。天蓋付きのベッドに寝てますね。
Shinya:それは初耳です。憧れますね(笑)。
ASAGI:ははは(笑)。天蓋に囲われていると安心感があってね。しかも真っ白。いろいろ柄も変えてみようかなと思ったけど、寝る前に曲が浮かぶことも多いので、真っ白なキャンバスに絵を描いていくような感じがいいなって。だから、寝やすい反面、寝づらいという……いろいろ浮かんできちゃうから(笑)。でも、基本的に天蓋付きベッドじゃないと落ち着かないから、ツアーとかが始まると困る。ホテルだとほとんど寝られずに、ちょこちょこ目が覚めちゃって。でも、Shinyaくんが部屋とかにこだわるのはわかるな。ずっと自分がいる空間だったら、好きなものに囲まれていたいし、家具とかもそうだけど、落ち着く空間作りはしたいよね。
Shinya:うん。でも、部屋そのものに関しては飽きっぽいかもしれない。とりあえず、今は引っ越したいですね、もっと広くて、いい場所に(笑)。
――条件としては、ただ広いだけじゃないんでしょう?
Shinya:細かくあるんですけど、メゾネットか1階の物件。練習用ドラムがあるんで、振動が下に響くんですよ。木が使われているのも嫌ですね。木の色が嫌いなんで。あと、駅から1分以内(笑)。
――でも、そんなに電車に乗る機会はないでしょう?(笑)
Shinya:いや、電車というか、栄えているところがいいんですよ。家の周りに何でもあるっていうところ。何か食べるにしても、1分でどこでも行けるとか。でも、渋谷とかにすぐに行けるところですね。飲みに誘われても、パッと行けるように。今の家が、狭いということ以外はすべて条件を満たしてるんですよ。だから、なかなかないんですよね。
――そうかもしれませんね(笑)。さて、将来的に二人がまた一緒に何か活動する機会もあると思うんです。
ASAGI:充分にあり得ますね。もともと、ソロとしての音源も、シングルだけで終わるつもりはなく、アルバムも作りたいと考えていましたので、そのときにはまたぜひお願いしたいですね。すでに何曲かはできつつあるんですけど、予定よりはだいぶ押しちゃってますね。
Shinya:ドラムを叩く以前に、どんな曲ができるのか、普通に楽しみですね。
――今後、それぞれに対しては、どんなことを望みます?
Shinya:アイデアが枯れないように頑張って欲しいですね(笑)。すっごい出し尽くしてるんじゃないかって思うぐらい、やってるんで。
ASAGI:頑張りますよ。もっと次々と溢れ出てくるように。日々、精進します。
Shinya:むしろ、溢れて出てきてるんですか、普段は?
ASAGI:うん、そうだね。むしろありすぎて時間が足りない。
Shinya:えぇ!?
ASAGI:ついついこれをやりたい、あれをやりたいってアイデアが溢れてくるから、時には私生活の何かを犠牲にすることが多いんだよね。単純に睡眠とかもそうだけど(笑)、それが悩みかなぁ。アイデアは死ぬまで枯れないんじゃないかな。むしろ、死ぬときにも、「こんなにまだやりたいことがあったのに!って思いそう(笑)。なるべくそう思わないように、たくさんやろうと思ってるんだけどね。そうすると、わりと生き急いでいるように見られがちなんだけど(笑)。
Shinya:昔から溢れ出てたのかな?
ASAGI:えっとねぇ……年々増して入る感じかな。昔は何を書こうかな?とか悩んだりしたこともあったんだけど、いろんなことを経験したり、いろんな人と出会ったりすると、それ以上の何かを生み出したくなるというか。アートに触れれば触れるほど、自分の感性が刺激されて、自分だったらこうしたい!とかもどんどん増えてくるから……まぁ、嬉しい悲鳴ではあるんだけど、日に日にやりたいことが増えていくっていうのも、困ったもんだよね(笑)。僕からは……Shinyaくんは、もう、ずっとこのままであって欲しいです。“今”のShinyaくんが常に最高なので(笑)。

進行・文:土屋京輔  Photography:TAKUYA ORITA
D OFFICIAL WEB SITE DIR EN GREY OFFICIAL SITE


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